交通事故による,むち打ち症:後遺症ご注意
ここ、駿河区でも、ここ数日、交通事故が増加しております。
当院でも交通事故の患者さんが多く来院されております。
下記のような記事も新聞で見かけました。ご参考下さい。
むち打ち症:後遺症ご注意 保険支払期限後に判明、治療費求め訴訟相次ぐ
交通事故による頸椎(けいつい)捻挫(むち打ち症)で、後遺症状がありな
がらも「症状固定」で自動車保険の支払いが打ち切られた後に「胸郭出口症候
群」と判明し症状が改善、治療費を求めて訴訟になるケースが相次いでいる。
胸郭出口症候群は、事故の衝撃で首の筋肉が硬化するなどして、神経が圧迫
され、手のしびれや頭痛、目の痛みなどの症状が出る病気。体形など先天的原
因による発症もあるが、その過半数は交通事故による発症とする研究もある。
しかし、筋肉の硬化は画像に写らないため検査が難しく、交通事故で救急搬
送される整形外科では、事故と結びつけて診断することはまずない。整形外科
で治療を続け、もう回復しないことを示す症状固定とされた後、しびれや痛み
に耐えかねた患者が、説明の難しい痛みの原因を調べることの多い脳神経外科
で胸郭出口症候群と診断されるケースがほとんどという。こうした経緯をたど
って病名が判明するため、弁護士によると、訴訟で事故との因果関係が認めら
れることはほとんどない。
広島地裁福山支部に今春提訴した広島県福山市の自営業、鈴重信さん(51)
は食品会社勤務だった2008年9月、配送中に追突され、あごや右目の痛み、
右腕のしびれが出た。握力も10キロ以下に落ち、転職せざるを得なくなった。
当初受診した整形外科では痛みの原因が分からず、10年1月に症状固定で
自動車保険の治療費支払いが打ち切られた。その後、脳神経外科で手術を受け
て頭痛は治ったが、手のしびれは残った。訴訟では追突車の運転手らを相手取
って治療費や後遺症による逸失利益など計約1200万円を求めている。
診察した国立病院機構福山医療センター脳神経外科の守山英二医師は今まで
胸郭出口症候群を巡る各地での訴訟で10件以上の意見書を書いたが、事故と
の因果関係が認められたケースは少ないという。
保険会社の元調査員で、同症候群と診断された交通事故被害者による集団訴
訟も起こした大津市のNPO「交通事故110番」の宮尾一郎代表は「保険会
社が交通事故を胸郭出口症候群の発症原因と認めたケースは自分の知る限り一
件もない。この病名すら知らずに苦しんでいる人も多いはず」と話している。